CASE

導入事例

ChatPlusのインタフェースにAIエンジンのQA ENGINEを接続。AIチャットボットの活用で、月15,000件の電話など、各種問い合わせの無人化 比率向上を目指す。

更新日:2024.11.5

株式会社 山陰合同銀行

法人営業部 法人コンサルティンググループ
景山 敏久様

山陰合同銀行は、どのような銀行でしょうか?

「ごうぎん」の愛称で親しまれている当行は、島根県松江市に本店がある地方銀行です。島根県、鳥取県はもとより、岡山、広島、兵庫、大阪、東京と支店があり、店舗網が広域に広がっているということが特長の1つと言えます。
私はこの7月で法人営業部へ異動しましたが、6月までデジタル推進部(現 IT統括部)に所属し、主にWebマーケティングを担当しておりました。近年当行の店舗に足を運ぶお客さまの数が年々減る一方で、当行ホームページへのアクセス数や個人ローンのWeb申し込み件数は反比例して増加しています。店舗であれば当たり前にできる手続きや疑問点への回答が、Web上ではできません。お客さまがWeb上でもストレスなく当行のサービスをご利用いただけるような環境を整備するのが、IT統括部の重要な役割の1つです。これまでにスマートフォンのアプリを新しくしたり、個人ローンの申し込みがすべてWebで完結するようにしたりと、サービスの向上に努めてきました。

ChatPlus導入の経緯は?

当行のホームページには、「よくあるご質問」としてQ&Aを500件ほど載せて、お客さまが当行のサービスに関して問い合わせしたいことをWeb上で解決できるようにしています。しかし、Q&Aのページを設けるだけだと、たくさんあるQAの中から回答を探すのが面倒だと感じるお客さまが少なからずいらっしゃるというのが課題でした。24時間いつでもオペレーターにつながって、会話形式で質問に答えるようなことができれば理想的だと思うのですが、24時間体制で人が対応するというのは難しく現実的ではありません。そこで、AIで回答するチャットボットであれば、より気軽に会話に近い形でお客さまの質問に回答できるのではないかと考えました。
3~4社のAIチャットボットツールを検討し、実際の作業が最もしっくりきて、最短3カ月のサブスクリプションモデルでトライしやすいと感じたStudio Ousia社の「QA ENGINE」の導入を決定しました。
また、画面デザインについてもお客さまが使いやすいようカスタマイズしたいと考えておりましたので、特別な開発なく簡単に連携でき、画面のカスタマイズが自由にできるChatPlusをStudio Ousia様から紹介していただき導入を決定しました。お客さまからの質問に対して自動で回答を導き出す部分は「QA ENGINE」で、お客さまと相対するインタフェースの部分はChatPlusを活用します。

QA ENGINE+ChatPlusのAIチャットボットはどちらに設置されますか?

当行のスマートフォン向けアプリ「ごうぎんアプリ」をリニューアルし、2020年7月にリリースしました。その新アプリに、「AIチャットボット」を設置しました。お客さまからのお問い合わせにAIが24時間365日、自動で回答することで、お客さまは来店や電話による照会が不要となります。
当面はアプリの使い方に対するお問い合わせのみに対応します。スマート通帳に切り替えたいのだけれどどうすればいい?アプリの暗証番号を忘れてしまったけど…など、アプリに関する質問に24時間お応えできるようにしました。今後は、アプリ以外のサービスのQAも搭載して、通常のホームページにもこの「AIチャットボット」を設置したいと考えています。順次、活用を拡大していく予定です。

AIチャットボットの導入効果はどのくらいを見込まれていますか?

提供するサービスの増加とともに、当行に対するお問合せはどんどん増えています。よくあるご質問は毎月10,000件以上の参照がありますし、電話のお問合せも月に15,000件近くあります。全体のお問合せの数を減らすというのは難しいと思いますが、その内訳を変えていきたいと考えております。AIチャットボット導入を決めた当初、当行の問合せ全体の5割をよくあるご質問とAIチャットボットで対応したいと考えておりましたが、よくあるご質問の参照が増加し、2020年6月時点で既に問合せ全体の5割を超えました。今後はAIチャットボットを加えることで更に無人で回答する比率を上げ、できるだけWeb上でお客さまの疑問が解決できるようにしていきたいと考えています。

今後AIチャットボット以外で、ChatPlusの活用をお考えですか?

今回、スマートフォンアプリに設置したAIチャットボットは、お客さまがチャットにテキストを入力する形式のものですが、ChatPlusに標準で用意されている選択肢、いわゆる自動ボットの機能を使って、設問の選択肢を何度かクリック(タップ)していくだけでお客さまが答えにたどり着けるような、そんな仕組みもリリースできたら、よりお客さまの利便性を高めることができると思っています。
また、ローンの申し込みは現在もWebからできるのですが、入力する項目が多くて、途中で諦めてしまったり、面倒で止めてしまったりなど、離脱するお客さまが一定数いらっしゃいます。Web申し込みフォームの離脱率をChatPlusの活用によって下げることができないかと考えています。例えば、ローンの申し込みのページに「入力項目でお困りの方はこちら」というチャット画面を出して、入力に困った時にはこういうものを入れてくださいとチャットでご案内できれば、離脱することなく最後まで進んでいただけるのではないかと思います。ゆくゆくはそういったものをChatPlusで作り込んでいき、少しでも申し込み完了率の向上につなげていけたらと思っています。チャットの質問に答えるだけで、申し込みの入力が完了するようなことができるとさらにいいですね。
今後はローンの申し込みや口座開設だけでなく、ほとんどの手続きがWebでできるようになると思います。しかし、Webでのお申し込みの際は、どうしてもお客さまは途中で困ることがでてきます。支店であれば、ここは何を記入すればいいのか、その場で銀行員から案内してもらえます。Web申し込みでも、ChatPlusのチャットをコンシェルジュのように使えば、あたかも店舗へ行っているような顧客体験が提供できると思います。

最後に、当ホームページをご覧のお客さまへメッセージをお願いします。

山陰合同銀行では、中期経営計画において「デジタル化」を最重要戦略の柱に据えています。そのデジタル化戦略の一環として、「手のひらに銀行店舗を」というコンセプトのもと、スマートフォン向けアプリ「ごうぎんアプリ」をリニューアルし、「ごうぎんスマート通帳」と「AIチャットボット」の取り扱いを開始いたしました。「ごうぎんアプリ」に口座を登録すれば、いつでもどこでも口座の残高や入出金の明細が確認でき、各種手続きがスマートフォン上で完結できます。「ごうぎんアプリ」によって、まさにスマートフォンが銀行になるということを体感いただけるかと思います。
 今回のアプリ、AIチャットボット等の導入はあくまでも通過点だと考えております。お客さまがわざわざ店舗へ足を運ばなくても、当行を便利に利用できるよう、より一層デジタル化を推進し、お客さまの利便性向上につながるサービスの提供に努めてまいります。

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